日本人の心に響く「松」の香りに注目! Hiroko.Kのビューティノート vol.3



日本人クリエイターとして完成させた「松」のフレグランス

日本には “かおり” を表す言葉がたくさんある。燻香の香、芳香剤の芳、さらに薫や馨。そのすべての “かおり” が違う意味を持っている。桐のタンス、檜のお風呂、お酒を飲むための升…。日本人は昔から香りを生活の中にうまく取り入れて、文化として楽しんでいたのだ。では、その香りにどういう効果があるのか? フレグランスアーティスト近藤Hirokoは、ただ楽しむだけの香りではなく、その効果を考える。そして誕生したのが、松の香りをイメージした朝のフレグランス「SUNRISE DEW MATSU」と、対する夜のフレグランス「MOONLIGHT JASMINE」(上の写真:ともに10月10日(土)よりHiroko.K 表参道とオンラインショップにて発売)。

「日本人には日本人に合った香りがあるんだろうなと根底でずっと思っていました。海外から見た日本は、京都、お茶、それからお香と、禅っていう言葉を筆頭に進んできたと思うのだけど、実際、日本人から見た日本と海外から見た日本のイメージってだいぶ違うんじゃないかなと。日本といえば何かということを日本人として考えたとき、もちろんグリーンティでもいいんだけど、海外の人が作ったグリーンティの香りは、日本人にしてみたらちょっと強すぎるじゃない? 日本人にとっての香りってもっと清々しいものじゃないかなって思ったのよね。それで今回作ったのが松の香り。日本には昔から松竹梅の文化があるけど、日本の文化で最高のものってやっぱり松なんです。徳川家にしても、能の舞台にしても、松の絵が描いてある。盆栽だって、最高のものは松。こんなに松を大切な木としている文化って世界中探してもほかにない。松のシャープな尖った清々しいグリーンっていうのは、世界でまだ誰も表現できていないと思ったのです」



香りがつかさどる緊張と緩和

「人間が本当の意味でリラックスするためには、緊張と緩和が必要不可欠。だから香りを作る時は、緊張と緩和、朝と夜のフレグランスをセットにしています。これは、四季がある国で生まれ暮らす日本人的な考え方。今回、松を再現した朝のフレグランス『SUNRISE DEW MATSU』には、スキンケアにもよく使われ、さらに集中力を高めると言われているローズマリーを配合しました。対して夜のフレグランス『MOONLIGHT JASMINE』には、甘くて濃厚な香りのココナッツオイルとジャスミンが含まれています。もちろん、すべて素肌に塗って使えます。殺菌効果がある精油やアルコールも入っているので、香水をふりかけることで肌を清潔に保つことができる。ただ香りを嗅ぐとか、纏うだけじゃなくて、天然のエッセンシャルオイルを毛穴から染み込ませ、皮脂と絡ませる。皮脂や汗など肌が持っている成分と一体化するように密着させることで、つけた人の素肌から、その人だけの香りが放たれ、尚かつ肌も潤う。それがHiroko.Kのオーガニックパフュームの特徴です」



「ここでアドバイスしたいのが、スキンケアの選び方。その時々の肌の状態と似ている性質のアイテムをセレクトするのがおすすめです。例えばオイリー肌の人は油分を多く含んだコスメの方が肌に定着しやすいし、乾燥肌の人は、油分が少なく水分をたくさん含んだものを与えてあげるのがいいんです。今回作った松の香りに関しては、初めてパウダーも作りました(上の写真)。潤った肌の上からパウダーをのせると、お肌をサラサラにカバーしてきれいに保ってくれる。スキンケアとしてレイヤーを作りながら “香り立つ肌” に仕上げることができます」

フレグランスの正しいつけ方とは?

「ボディに関しては汗や皮脂の出るところにつけるのが一番。ただ注意しなければいけないのは、ケミカルな原料が含まれているものは毛穴のたくさんある脇の下など注意しなければいけない場合が多いので要注意。オーガニックでできた香水であれば、背中や脇、胸の谷間や首筋、肘の間など、汗の出る部分に塗っていただくこともおすすめします。足の裏にダイレクトにつけても効果大です。Hiroko.Kの新商品のひとつにローズのオーガニックの洗顔料『FACE WASH フェイスウォッシュ』があるのですが、こちらはまさに香りを吸収させながらスキンケアができるアイテム。フェイシャル用に作りましたが、シャンプーの替わりに頭皮に使っても大丈夫なように調合しています」



今も昔も、美しい人は“香り立つ”

「香りはファッションとしてだけではなくて、その効果や役割を知ると本当に面白いんです。香りの効力に精通していた人として象徴的なのが、クレオパトラ。彼女はバラをワインに漬け込んで飲んでいたり、お風呂に入れてエッセンシャルオイルにもしていたんです。口からも毛穴からも、全身でバラの香りを取り込んでいました。美しい植物は自分に取り込むことで、美しくなるってことを感覚でわかっていたのでしょうね。光源氏もそう。当時の日本の香りは衣に炊き込めるしかなかったから、彼は衣に香りを炊き込めて夜な夜なでかけていたそう(笑)。万葉集の中には、現代では使われなくなった素晴らしい言葉が沢山あるけど、その一つに “香り立つ” という表現があります。英語には訳せない、情緒溢れる言葉。夏に香る潮風と冬の潮風…その違いが分かる日本人だからこそ心に響く香りに、ぜひみなさん触れてみてください」
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